久々の大阪プロレス観戦は、道頓堀に移転してからは初観戦となるサタナイでした。
現在のサタナイは、来年2月開催のハリケーンに向けてのストーリーが主幹となっていますが、この日の注目はデルフィン選手からのラブコールを受けるゼウス選手の動向と、闘うごとに因縁が深まるタイガースマスク選手とブラックバファロー選手の抗争の行方です。

まず前者について、天王山以来の2度目のシングルマッチが行われましたが…ハッキリ言って試合自体は淡白で盛り上がりに欠けたと感じます。
やはりハイライトとなったのは試合後のマイクでのやり取りでした。
タッグ結成を呼びかけるデルフィン選手に対し、少し躊躇いながらも受諾したゼウス選手。
その返答と同時にバッドフォースの面々がリングサイドに登場。
詰め寄るメンバーを制して放った「負けるの嫌やからな!」の一言は凄く心に響きました。
確かに圧倒的なパワーを持つゼウス選手が、デルフィン選手の持つテクニックや老獪さを少しでも盗めれば“鬼に金棒”かもしれません。
1回組んだだけで強くなるとは思いませんが、「大阪プロレスは楽しいプロレスだけではない」ということをアピールする旗頭として頑張ってもらいたいなぁと思います。

一方のタイガースマスク選手とブラックバファロー選手の抗争については、方向性が示されたのではないでしょうか?
試合前のスキットで、前週のタイガースマスク選手の「マスクを賭ける」発言を逆手に取ったブラックバファロー選手側からマスカラ戦を逆要求したことから、きっとメインイベントは荒れるだろうと予想していましたが…。
案の定、試合は荒れに荒れました。
序盤からタイガースマスク選手のマスクに狙いが定められ、レフェリーの死角に入る度に剥ぎ取ろうとしていました。
結局、試合中のマスク剥ぎこそ失敗したものの、フィニッシュは見せつけるように垂直落下式のバファロードライバーを敢行したブラックバファロー選手。
そして、ダメージの大きいタイガースマスク選手のマスクをついに奪い取ると、正式に大阪プロレス選手権の挑戦者に立候補するとともに、マスカラ戦での完全決着を要求。
改めてビリー選手は制止しようとしましたが…それを拒否したタイガースマスク選手が要求を受諾。
どうやら大阪ハリケーン2008でのメインカードが正式に決定した見込みです。
大阪プロレスでのマスカラ戦は2度目になるのでしょうか?
確か以前に、タイガースマスク選手とブラックタイガース選手のマスカラ戦があったように思いますが、この件については“楽しい”要素も含まれていたので、完全にシリアスな形でのマスカラ戦は初めてとなります。
このまま因縁がズルズルと続くのも良くないですが、どちらかのキャラクターが消滅するというのも…。
年内最後のサタナイは大きな余韻を残すとともに、何かスッキリできない複雑な興行でした。