セミファイナルで行われた大乱戦の余韻が残る会場。
スクリーンでは大鷲透の大阪プロレスでの暴れっぷりを示すVTRが流れる。

まずは大阪王者のスーパー・ドルフィンが入場。
腰にはベルト、セコンドには冨宅、ビートル、バファローなど正規軍メンバーが勢揃いで、大阪プロレスの結束を見せつけるかのような布陣で大鷲を迎え撃つ。
一方、続いて入場の大鷲にはセコンドがいない。
ただし、大きな担架を担いでの入場である。
思い起こせば、今日のスキットで大鷲は、「オマエ(ドルフィン)の最後に相応しい『プレゼント』を用意した。」と言っていたが…どうやらこの担架は関係ないようだ。

タイトルマッチではないものの、会場内には厳粛な空気が漂い、誰もがゴングを固唾を飲んで待っている。
予想に反して、ドルフィンも大鷲もゴング前の奇襲攻撃はしなかった。
ただし、一度ゴングが鳴ってしまうと、試合はたちまちヒートアップ。
すぐさま場外戦へと発展すると、試合を終えたばかりの秀吉と政宗が乱入。
もちろん大鷲側へと加勢する。
先週はこれをよしとしなかった(=場外での秀吉の助太刀を大鷲は拒否)が、今日はあっさりと受け入れ、またこれには正規軍も黙っているわけがなく、バファローらが一目散にドルフィンの救出に駆けつける。
ドルフィンと大鷲は、一度はリング内へと戻ったものの、再びの場外戦が勃発すると、慌てて駆けつけたツバサとビリーをも含めた正規軍と大鷲側セコンド(秀吉&政宗)がリング上になだれこんでの乱闘を繰り広げたために、小山レフェリーは無効試合の裁定を下した。
この結果に引き上げようとする大鷲軍をドルフィンが再試合の要請を行い引き留める。
そしてドルフィンの奇襲により再試合のゴングこそ打ち鳴らされたものの、ヒートアップしきった両軍セコンドの乱闘は終わることもなく、バファローは正規軍セコンド陣に秀吉と政宗を会場から出すように指示を出す。
やっと落ち着きを取り戻した会場だったが、圧倒的パワーを誇る大鷲にドルフィンは劣勢を強いられる。
反則技も交えながら攻める大鷲がフィニッシュとしてダイビング・ボディプレスを敢行しようとコーナートップに上がった瞬間、それまでドルフィンに檄を飛ばし続けていたバファローが大鷲の足に飛びつく。
このバファローの咄嗟の判断に会場は割れんばかりの歓声で応え、救われたドルフィンはデッドリードライブから道険笑歩拳→ドルフィンマジックへとつなぎフォールを奪いにいく。
会場の多くが3カウントを確信したが、小山レフェリーのカウントはリングを2回叩いて…止まった。
いや正確には「阻止された」だ。
バファローがレフェリーの足を引っ張って、3カウント目が叩かれなかった。
この一連の流れに、会場中は「?」が交錯する。
ドルフィンも何が起きたのかわからず、レフェリーへと詰め寄る。
そんな中、バファローは不気味な笑みを浮かべつつリングインすると、ドルフィンの前後からラリアットを2発。
直後に投下された大鷲のダイビング・ボディプレスこそキックアウトしたものの、再び乱入してきた政宗のパウダー攻撃を受けると、大鷲は大阪プロレスでは初公開となる高角度のパワーボム。
破壊力抜群のこの一撃を受けたドルフィンにはもうキックアウトする力は残されていなかった。
スーパー・ドルフィン誕生後、初の黒星。

スキットで大鷲が言った「プレゼント」とは、やはりと言っても良いのだろうか、バファローの裏切りであった。
バファローの岸和田愚連隊転向時にも裏切りを受けた正規軍は怒り心頭で集結する。
ただし、たった今、結成されたルード軍の勢いを止めることはできず、リングはルード軍が占拠。
バファローの憎々しいマイクとともに、大阪プロレスに新たな闘いの渦が生まれた。