第1試合、的場はいつも通り、花道を走って入場。
いつ見ても、気持ちの良い光景だ。
一方のゴアは重みのある入場。
ゴアがリングに上がったところで、的場が急襲を仕掛ける。
そして、的場のアルゼンチン・バックブリーカーを喰らって腰にダメージを負ったゴアは、たまらずエスケープして場外でリズムを整える。
このあたりがゴアの試合巧者ぶりを醸し出す。
ゴアが段々と主導権を取り返し始めると、あとはゴア中心に試合は進んでいく。
ゴアのアンクルホールド、逆エビ固めは何とかロープに逃れた的場であったが、ゴアの新技インビジブル(デスバレーボムと形が似ていたと思う)は返せず敗北。
今日の的場はあまりイイ所をアピールできずに終わってしまった。

第2試合は、そろそろ帰国の外人’sが登場する!!
まず、スコット→くいしんぼう仮面→デルフィン→スコーピオ→えべっさん→タイガースマスクの順番で入場。
チームリバティの2人が各々に入場してきた時には、客席からカルピスのプレゼントが。
ちなみに原液ではなく、ウォーターの方でしたが(笑)
そして、トリで入場となったタイガースマスクに対し、えべっさんが「オマエもここまで来たか〜」と感涙(?)
さてさて試合は、お決まりのようにくいえべの絡みから始まる。
一連の流れが終わると、不意に松井レフェリーと目が合ったえべっさんが、レフェリーコスチュームについたホコリを見つけ、「トラッシュ、トラッシュ!」と連呼。
これに呼応したのは、英語が堪能であるはずのスコットである。
松井レフェリーとすれ違う時に、エプロンで待つスコットもマネをしたのだ。
これには場内が大爆笑に包まれる。
日米のお笑いが融合した瞬間だ(←大袈裟)!!
もちろん、スコットが笑いを取ったのだから、スコーピオも黙っていられない(たぶん…)。
味方がデルフィン軍団の忍び足攻撃で窮地に陥ると、「志村、後ろ後ろ!」と助け(?)を出す。
それにしても、とても聞き取りやすい日本語でした。
どのぐらい練習したのでしょうか??
試合は、大阪プロレスらしい楽しいプロレスに外人’sが加わったことで爽快とも言えるスピード感が増した。
最後は、スコットがスコーピオへサソリ固めを極め勝利を飾ったのだが、この試合のMVPはスコーピオだったと思う。
調べてみたのだが、スコーピオはまだ20代前半のとても若い選手のようである。
キャリアが浅いために勝利を飾ったのはほとんどなかったが、その伸びしろは計り知れないと感じた。
再来日がいつになるのかはわからないが、また大阪のリングに戻ってくることを期待したい。
その時はもちろんスコットと共に。

第3試合は前の試合とは雰囲気が全く変わって、村浜武洋とGammaのシングルマッチ。
GammaのUGM加入後では初のシングル対決である。
正直、第3試合というポジションではもったいないマッチメイクだ。
逆に言うと、第3試合でこの試合を見れたのはラッキーなのだろう。
強いて不満を言うならば、村浜の状態が完全でないことだけだろうか。
試合展開は、意外にも(?)Gammaの非情さが目立った試合だった。
それが、Gammaの村浜に対する、タイトルマッチへの激励だったのかもしれないが。
今日のGammaは肩のテーピングもなく、FLUXxxでトップを務めていた時のGammaに見えた。
それほどに動きが良く、「闘い」を見せてくれた。
最後は村浜のハイキックがヒットしKO(その後、村浜がフォールにいっている)になってしまったが、次週のタイトルマッチ勝者にGammaが挑戦してもおかしくないほどに調子も良さそうだった。
近々、天王山2004の概要も発表されるだろうが、今年のGammaは面白い存在になるかもしれない。
特に去年はケガで出場を回避しているだけに、本人の天王山への思い入れも強いかもしれない。
一方、次週にタイトルマッチを控える村浜だが、まだまだ本調子ではないなというのが目に見えた。
序盤のヒザ攻撃で大きくダメージを負い、必殺のブレーンバスターなどで足の踏ん張りが利かない場面は顕著。
幸い、タイトルマッチの相手がUGMなので目を覆いたくなるような非情な攻撃はしてこないだろうが、ベルトが懸かっている試合だけに、ビリーもヒザ攻撃はもちろん選択肢の中にあるはずだ。
その時、村浜の運動量が著しく落ちるようでは、村浜の勝機は限りなく少なくなるだろう。

第4試合もシングルマッチ。
そして、この試合が、この日デルフィンアリーナを訪れた人の多くが楽しみにしていたカードだろう。
永井豪氏デザインの“兜王”ビートルのデビュー戦である。
率直な所、「ミラクルマンが変身」と公表されているために、ある程度のファイトスタイルは察しがつくものの、やはりビートルオリジナルのムーブもいくつか用意しているだろうから、期待は高まる。
そんなビートルの力量を測るかのように、用意された対戦相手は前シングル王者のQUALLT。
楽に勝利を飾るのは難しい相手だが、もし勝利すれば一気に視界が開けるのも事実。
まずはQUALLTがセコンドにゴアを引き連れ入場。
続いて、観客の視線を全身に受け、ビートルが入場。
事前に雑誌で写真だけは見ていたが、頭には角があり、ミラクルマンの面影はない。
コーナーに上がりアピールしている所にQUALLTが詰め寄る。
ビートルはそれを見逃すことなく、ドロップキックで急襲をかける。
一連の流れでQUALLTを場外へ転落させると、すかさずトペを敢行。
ビートルが完全に流れを掴んだように見えたが、QUALLTがそれを許さない。
反則を交えながら徐々にペースを取り戻すと、一気に攻勢を仕掛ける。
限りなくカウント3まで近付いたが、ビートルも何とかこらえる。
そしてQUALLTを再び場外に転落させたビートルは、ひねりを加えたトペを公開。
おそらく、これはビートル用にアレンジしてきたものだろう。
この大技を機に徐々にQUALLTを追いつめるのだが、大事な時にゴアが邪魔をする。
この後も岸和田の連係(シングルなのに)に散々苦しめられたビートルであったが、ロープ際での岸和田の誤爆から飛びつきの回転エビ固めでついにフォールを奪った。
試合後、おもむろにマイクを握ると、岸和田へ宣戦布告をするとともに大きな目標があることを表明した。
今は言えないとのことだったが…永井豪氏つながりで、獣神サンダー・ライガーとのシングルだろうか??

本日のメインは、ビリーとペロが珍しくタッグ結成で、岸和田との対戦。
スキットでは、ビリーがバファロー&ユタカのべルトへの情熱を測りたいと述べただけに、熱戦は必至だ。
ビリー&ペロの入場は実に豪華なものであった。
ビリーの保持する2本のべルトはもちろん、タイガースマスク、チカコ、ペッキーがセコンドに帯同。
さて試合は、大方の予想に反して、静かな立ち上がり&クリーンファイトを見せる。
これがべルトへの情熱だろうか??
と思ったのも束の間、突然に岸和田が戦場を場外に求める。
場外では岸和田のセコンドに付くゴアも加担。
流れが急激に岸和田に傾き始める。
場外で散々痛めつけておいてからリングに戻り、フラフラ状態のペロに照準を絞り岸和田はラッシュ。
だが、かろうじてビリーのカットが間に合い、ここは難を逃れた。
なんとかペロとの交代が成立したビリーは、大阪2冠王の実力をいかんなく発揮。
コウモリ吊り落とし、ラ・エスパルダを繰り出し、追い詰めていくも岸和田も簡単には3カウントを許さない。
だが、確実に劣勢へとなった岸和田は凶器攻撃へ踏み切る。
セコンドのゴアが松井レフェリーの注意を反らす間に、ユタカがチェーンを取り出してペロにナックルパンチ。
フォールが数えられ、これを返すのは不可能だろうと場内はほとんどが諦めたのだが、寸前でビリーがカットに。
しかし、ビリーはすぐに場外へと落とされるとリング内では、バファローのラリアットが孤立状態のペロに炸裂。
さすがに今度はカットに入ることもできず、無情にもゴングが響いた。
敗れたビリー&ペロに対し、なおも攻撃を続ける岸和田。
そこを救出にやってきたのは、次週ビリーとタイトルマッチが予定されている村浜だった。
すぐさまに岸和田を蹴散らし、形の上ではビリーを救出という形にはなったが、ビリーとは視殺戦で握手はなし。
最後に村浜は、べルトを本気で奪いにいくとの意気込みを示したうえでリングを後にした。