今大会のSNSは「UGMvs岸和田愚連隊 5vs5シングル対抗戦」と銘打たれた。
組み合わせは当日発表だが、思わぬ組み合わせが見れるかもと、会場へと足を運んだ。

スキットでは、本日のメインストーリーとなる対抗戦の組み合わせの発表である。
組み合わせは、各軍が出場順を記した紙を松井レフェリーに提出、そしてそれを松井レフェリーが読み上げる形式となっている。
まず、Gammaのテーマ曲に乗せてUGMが入場。
先頭に立つキッドが封筒を持つ。
続いては、MA−G−MAのテーマ曲で岸和田が入場。
新メンバーの怨霊は姿を見せず、4人での登場である。
封筒を持っていたのは、最後尾にいたMA−G−MA。
両軍リングに上がると、封筒を提出。
そして読み上げの時。
「先鋒戦 ミラクルマン vs “BIG BOSS”MA−G−MA」
「次鋒戦 ビリーケン・キッド vs ゴア」
「中堅戦 くいしんぼう仮面 vs 怨霊」
「副将戦 Gamma vs QUALLT」
「大将戦 ツバサ vs ブラックバファロー」
何とも豪華なカードが出揃った。
そして何と言っても、メインは元INFINITYの対決である。
バファローの裏切り後では、初のシングルだ。
しかし、好カードの競演に胸躍らせる観客に対し、バファローが毒づく。
「オメェら!愚連隊がストレートで勝つから、今日のカルトと俺は有給休暇だ!!」
果たして、UGMは岸和田の前になす術無く、有給休暇を作ってしまうのか??

第3試合から対抗戦の始まりである。
UGMから先陣を切るのはミラクルマン。
一方の岸和田は先鋒に大将格のMA−G−MAを持ってくるという、大胆な采配を振るう。
大阪内では無敵を誇るMA−G−MAの牙城をどのようにミラクルマンが切り崩しにかかるかが焦点である。
試合が始まると、両者は短期決戦の思惑で一致したようだ。
すぐに場外での攻防が始まる。
リングに戻っても両者は休む間もなく、また出し惜しみせずに大技を連発。
そして、ミラクルマンがコーナーに上がったところを狙っていたかのようにMA−G−MAが突進、そのまま抱え上げると一撃必殺のラストライドの体勢に入る。
これだけは食らいたくないミラクルマンはなんとかウラカン・ラナで切り返し難を逃れる。
だがラストライドに拘るMA−G−MAがまたも体勢を整えるが、ミラクルマンの意地が勝りラストライドは不発。
すると、ここでMA−G−MAは方針転換。
ミラクルマンを担ぎ上げると、ファイヤーサンダー→マンドリラーと問答無用の2連発。
健闘むなしく、UGMは緒戦を落としてしまった。
それにしても、MA−G−MAの器用さには毎回ながら驚かされる。
現在参加中のスーパージュニアでは、もっともっと暴れまわってほしいと心底思えた。

次鋒戦は、キッドとゴアの対決だ。
両者は自他共に認めるライバル関係にあると言っても過言ではない。
過去にもシングル対決はあったが、必ずと言ってもイイほどに好勝負になっているので、今日も期待できるだろう。
やはりその予想は当たった。
序盤は、押しつ押されつの白熱した闘いが繰り広げられる。
終盤にさしかかった頃、キッドがファイヤーバードを予告、フォームもとても美しかったが、その場にゴアはおらず自爆に。
すると一気に攻守は交代する。
ジャックハマーでキッドをセットし、ゴアはコーナートップからダイビング・ボディプレスを挙行。
こちらも素晴らしいフォームだったが、待っていたのはキッドのヒザ。
両者とも技を出し合い、あとは気力の勝負かとなったところ、キッドは残り唯一の技とも言える、ラ・エスパルダへ!
しかし、あとは押さえるだけとなった所でゴアの体が抜けてしまい、カウンターでシャイニング・ウィザードを受けると、ゴアは奥の手のリミッターショックを久々に敢行しフォールへ。
キッド万事休すかと思われたが、カウント2で返すと、さきほどは失敗となったラ・エスパルダを再び放つ。
ゴアの体がクルクルと回り、フォール…3カウント!!
これで、1勝1敗のタイに持ち込んだ。

中堅戦は、くいしんぼう仮面と岸和田の新メンバー怨霊の一戦。
くいしんぼう仮面はいつも通りにお菓子をまいて入場。
この時ばかりは、対抗戦のピリピリムードは和らぐ。
だが、怨霊が入場してくると一転、ミステリアスな雰囲気に変わる。
序盤は静かな立ち上がり(お互い喋らないキャラだということもあるが…)。
そんな中でも、くいしんぼう仮面独特のムーブやうまか棒は健在である。
戸惑いを感じるのか怨霊は全くペースを掴めない。
セコンドのゴアとの誤爆、関空トルネードもまともに受け、怨霊完敗のムードも流れつつあった時になって初めて、ゴアのイス攻撃がくいしんぼう仮面に直撃。
ここから怨霊のラッシュが始まり、逆に誰もがくいしんぼう仮面の敗北を考えた時だった!!
怨霊クラッチを切り返す、くいしんぼう仮面のスモールパッケージが決まり、3カウントが入った。
カウントは実に微妙だったが、勝ちは勝ち。
圧倒的不利を言われていたUGMがリーチをかけた。

副将戦はGammaとQUALLTの戦い。
おそらく、Gamma、QUALLTのキャラになってからは初のシングル戦か??
また、去年の大阪城ホール大会まではFLUXxxで共に闘っていた同志でもある。
メインストーリーに戻ってきたGammaの調子を測るには大変見所の多い試合である。
なかでも、勝利にリーチをかけたUGMのリーダー格のGammaが、大阪王者のQUALLTを相手にどのような闘いを見せるのかが焦点だ。
と言っても、Gammaも元大阪王者である。
ハイレべルな闘いを期待できそうだ。
まずはGammaが入場。
やはり肩には痛々しいテーピングの跡が…。
続いて、QUALLTが入場。
手には、強さの象徴であるべルトを持参。
試合は、リング上でゴングを待つGammaを、QUALLTがべルトで急襲する形で始まった。
QUALLTはすかさずGammaを場外に連れていき、大きなダメージを与えようとする。
ルードとしては定石とも言える展開の仕方だ
しかし、ここでGammaの眠っていたルードの魂が甦った!!
試合を終えたメンバーが座るために用意されていたイスを手に取ると、QUALLTの背中に向け振り下ろす。
次は、売店の机へQUALLTを突進させ、またもイス攻撃。
場外で、主導権は完全にGammaが握った。
Gammaは、大ダメージを背負ったQUALLTをリングに戻すと、ロープで首を絞めながら、なんと自ら肩のテーピングを剥がし、好調ぶりをアピール、フィニッシュを宣言!!
まずはとばかりに、QUALLTに対し延髄蹴りを放つ。
だが、ここでQUALLTが意図したものか偶然か、松井レフェリーと衝突。
コーナーでQUALLTに圧迫された松井レフェリーはリング下へと転がり落ちる。
それでもGammaの猛攻は止まらない。
QUALLTを担ぎあげるとブリッツェンの態勢。
肩が悪いときは、決まり方が浅いように見えたこの技も完璧に決まる!!
だが、Gammaがフォールに行くが、松井レフェリーはまだリング下でカウントは入らない。
するとGammaを挑発するかのように、怨霊がエプロンに登りGammaと視殺戦。
そのスキをついたQUALLTが後ろからラリアット。
Gammaをコーナー下にセットすると、MA−G−MA&ゴアがダイビングボディプレスの競演!!
もうリングは無法地帯と化してしまっていた。
強引に松井レフェリーをリングに戻したQUALLTは、Gammaの喉元をつかみチョークスラムの姿勢。
岸和田の総攻撃を受けたGammaに切り返す力は既になく、なすがままにリングへ叩きつけられ3カウント。
2勝2敗のタイに持ち込み、勝負は大将戦の元INFINITY対決に委ねられることとなった。

試合前、この試合の勝利チームが対抗戦の勝利になることがアナウンスされ、会場には一段と張り詰めた空気が漂う。
まずはツバサが入場。
先週、痛めたというヒザを引きずることもなく、普通に入場。
ただ、コスチュームの下は包帯がグルグルと巻かれているであろうことは、暗に予想がつけられる。
続いて、バファローが入場。
対照的なほどに、こちらは気合いに満ちていたように感じた。
試合は、予想通りとも言えるように、ツバサへのヒザ攻撃で幕を開けた。
場外に場所を替えても、執拗なほどまでのヒザ攻撃は止まらない。
イス攻撃はもちろん、長机での攻撃も見受けられた。
長い場外での戦闘が終わり、リングへ戻るとバファローが隠し持っていたハサミでツバサのコスチュームを切り刻む。
すると、何重にもテーピングを施されたヒザが露となる。
なんとも痛々しい光景である。
剥き出しとなったツバサの右ヒザはバファローにとっては格好の攻撃箇所である。
相手をバカにしたような態度で集中攻撃を繰り広げる。
しかし、ツバサは一瞬のスキを付いて、ドラゴンスリーパーを敢行!!
昨年の直接対決ではこの技で落とした経緯があるだけに、いやがおうにも期待が高まる。
そんなツバサをアシストするかのように、セコンドのUGMの面々が岸和田の乱入をカットへ!!
だが、バファローは自力で何とかロープへと逃れたのだ。
UGM最大の勝機が逃げていってしまった。
あとは、岸和田悪の連携の前にツバサは翻弄される。
そしてラストは、怨霊のパウダー攻撃からバファローのラリアットでピンフォール。

対抗戦の軍配は岸和田に上がった。
まさに現在の両軍団の勢いを象徴するような展開だったかもしれない。
次の「対抗戦」はタッグフェスタの舞台となる。
UGMから優勝チームを送り出すことはもう至上命令である。
岸和田からの3チームはどれもクセのあるチームだが、UGMには今大会欠場の村浜武洋、タッグ王者タイガースマスクが控えている。
真の対抗戦まで…あと2週間。